賃貸住宅入居者は室内の傷を写真や動画で記録しておくべき理由
これから賃貸住宅に入居しようと考えている人は、まずは、徹底的に室内環境を撮影しておくことをオススメします。デジタルカメラを使用し、可能な限り多くの写真を撮影しておきましょう。意外と思われるかもしれませんが、確かに目の前に傷が存在しているのに、入居前の下見では、なぜか全く気づけない、ということも多いのです。下見のときに不動産会社の担当者が丁寧な説明をしてくれるとは限りません。原則的には、下見の際には、不動産会社の担当者か同行はしますが、後は入居希望者の自己診断能力に掛かっているのです。しかし、入居希望者が、下見や入居直後に気づくことができなかったとしても、写真を撮影しておけば、写真に記録しておけます。つまり、入居希望者が気づくことができなかったというだけで、すでにトラブルの原因は存在していたのだということを証明できれば良いわけです。私が入居した部屋では、入居後に雨漏りが発生しました。そして、よく見ると、天井に大きなしみのようなものが存在していたのです。入居直後に撮影しておいた写真を見ると、確かにしみのようなものが大きく写っていましたが、入居直後も、下見の段階でも、家族の誰も気づかなかったのです。
わずかな傷でも、そこから大きな被害に発展する、ということがあります。屋根板が夏の高温や冬の凍結で曲がってしまうということがあります。膨張と収縮を繰り返すことで、屋根板は無事でも、屋根板一枚一枚をつなぎ合わせておく接合箇所の接着剤が劣化し、崩壊してしまうのです。最初は、わずかな亀裂で始まるとしても、そこから雨水が侵入していけば、雨漏りになります。ただし、雨水の侵入だけでは雨漏りは発生しません。天井板や天井壁紙が腐敗していたからこそ、水が室内へ落下してくるわけです。つまり、雨漏りが発生した場合は、原因発生時期は、それよりもずいぶん前にまで遡れる可能性がきわめて高いのです。原因発生時期の推測は、リフォーム業者が、かなり正確に診断してくれますので、不動産会社が派遣してきたリフォーム業者とは必ず会って話を聞くようにしましょう。リフォーム業者との会話を動画撮影しておくこともオススメします。賃貸住宅に入居して暮らすということは、常に記録し続けることなのだと認識しておけば、トラブル発生時に、自分たちが費用負担を強いられることがなくなると思います。